2016's BEST <Single&Album> - DJ FGR

2016年は今までで一番音源を買った年かもしれません。(←なお毎年その記録を更新している可能性もあります)

OATHで始めたパーティ「DECK THE HOUSE」がふんわり軌道に乗り始め、パーティの作り方、DJのやり方や良い音の出し方、意識高くやっていく事と楽しむことのバランス感覚、そして際限なく無くなるお金。色々なことを学んだ1年でした。プライベートの充実・多忙っぷりはサラリーマン的にはスゴかったと思います。

世間では暗いニュースばかりですが、ほんの気持ちばかり抗ってみることを忘れずに、日々の生活を送っていければ良いなと思います。

 

さて、

2016年は基本的に好きな音楽の路線に変更は無いものの、一昨年からの大きな変化として、11/3のARTEMIS @ VENTの出演を皮切りに「バック・トゥー・ザ・ミニマル」の流れが到来していて、9~10月くらいから急激にミニマルばっかり買ってきました。HOUSEの購入比率がメチャメチャ下がりました。

それを踏まえると、個人的には、ミニマルは年間ベストトラックには挙がりにくいのだなぁと思います。挙がっているのはほとんど上半期に購入したものです。それは、ミニマルの良さは出音とその繊細さにあり、思わず興奮して饒舌になってしまうような特長あるトラックではないからかな?と思います。語りやすいものの方がモノを書きやすいし、載せやすいので。

 

◆◆ベストディスク(シングル)◆◆

①Simon Weiss - Tele-Vision [Voyage Direct (NED)]

http://www.technique.co.jp/item/137415,RH-VD23.html

はい、1位はこれ。ダントツでこれ。B1のGhostをヘビープレイしました。Rush Hour系列で、最高にダンサブルなHolden直系のテクノ。ジャンルで括るのが申し訳なくなるような、ジャンルを超越した一枚。ミラーボールが似合う。

②Luv Jam - Nip To Space [Cocktail D'amore Music (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/144107,CDA012.html

次点はこれ。A1のNip To Spaceをゴリゴリ使ってました。地を這うベースとサイケ・ディスコの融合。これかけると皆に「これなに?」と褒められて良い気分になれる褒められレコードです。ジャケも良い。

③Philou Louzolo - Afrifuturism [Tink! Music (POL)]

http://www.technique.co.jp/item/138137,TINKMSC007V.html

謎深いPhillou Louzoloによる激アッパーなアフリカングライム(?)。このノリ、そしてこの展開は一度聞いたら耳から離れることはないでしょう。この曲は他とは勢いが違います。とにかくスゴいです。

④MLiR - Swedish Lo-Life EP [Studio Barnhus (Sweden)]

http://www.technique.co.jp/item/141209,BARN044.html

大好きなStudio Barnhusより、今までにないノリのラテンハウス。今年の自分のセットからはハズせません。全部いいけど一番使ってたのはA1のSpanish Lo-Lifeかな。近年のHOUSEシーンの狭間を突く素晴らしいトラック。独創的で、どんなDJ時にも使えます。まだまだ現役。

⑤ZZZ feat. Hibahihi - 1111 (303+808) - 10 Inches Of Pleasure (JPN)

http://www.technique.co.jp/item/135993,IOIOP067.html

DJ Nozakiの激激激激Dopeなアシッドハウス。コレは本当に日本人特有の感覚で作られているなぁと思います。元ブッダ・ブランドHibahihi(飛葉飛火)のラップと激渋アシッドベースが脳髄を直撃してノックアウト。チェ!チェ!チェ!チェ!

⑥Paul Twin - White Island EP [Nous'Klaer Audio (NED)]

http://www.technique.co.jp/item/137577,NOUS003.html

大学教授Paul Twinの細部まで練り込まれた激エモテクノ。今年はNous'Klaer Audioにハマったなぁ。全曲、タイトルとトラックの内容が絶妙にリンクしているように感じる、綿密で表現力豊かなメロディーには感涙。青春の味がします。

⑦Roy Of The Ravers - 2 Late 4 Love [Acid Waxa (UK)]

https://acidwaxa.bandcamp.com/album/2-late-4-love

Bandcampで掘り出した次世代のLegowelt。オタク的感性で紡ぎだされるアシッドエモ。ダサいけど泣ける。和音が泣ける。「Emotinium」をヘビープレイです。 中学の頃に好きな子を校門前で待ったあの時に見た夕焼け感。ドラ泣きなんて目じゃないです。

⑧Thee J Johanz - Vivian [Ballyhoo (NED)]

http://www.technique.co.jp/item/140142,BALL102.html

ベテランThee J Johanzによる謎アラビアンのアシッドカバーは、謎楽器をアシッドに置き換える変態的な作りのトラック。こいつぁ、アラビアン・サイケデリック・アシッドだゼッッ!ただDJで使いづらい。

Hiroshi Watanabe - Multiverse EP [Transmat (US)]

http://www.technique.co.jp/item/136407,MS96.html

Transmatから日本人Hiroshi Watanabeのリリースは、今年最大のジャパニーズテクノニュースです。A2のThe Leonidsは後世に残るデトロイトテクノアンセム。この曲がかかり何度フロアでブルって泣いたことか…

Octave - Time Capsule EP [Bucharest (Romania)]

http://www.technique.co.jp/item/141612,BUCHAREST001.html

今年のベストアーティストは、このOctaveかなと思います。Ion Ludwig直系として今後に期待。出ている音の重なり方が、そこらのミニマルとは一味違います。リズム+シンセの応酬で、踊っていたら10cmくらい宙に浮くぞ!

 

◆◆ベストディスク(アルバム)◆◆

①Fatnotronic - Onde Anda [Razor-N-Tape Reserve (USA)]

http://www.technique.co.jp/item/139349,RNTR009.html

1位!RSD出品の1枚ですが、テクニークさんが回転数を間違えてネットショップにアップしたことで、一気にサイケマジックを超えるサイケ・ディスコの様相を醸し出した、ある意味このチャートに載ったのは偶然の産物。早回しで聞くととにかく凄い高速アフロ。真帆タイディスコを思い出します。

②Nusrat Fateh Ali Khan - Visions Of Allah [Exworks]

http://www.junodownload.com/products/nusrat-fateh-ali-khan-visions-of-allah/3148666-02/

ヌスラト・ファテー・アリ・ハーンは今年一番の拾い物。これを発掘した俺は自分で自分を誉めたいと思います。イスラム神秘主義スーフィズムにおける儀礼音楽・宗教歌謡のカッワーリーの歌い手ですが、レイブ要素を取り入れたインディアン謎ダンステクノ(すっごくダサいヤツ)へとメタモルフォーゼ!

③Throwing Snow - Axioms - Houndstooth (UK)

http://www.technique.co.jp/item/137791,HTH054.html

エモテック代表格Throwing Snowのハードトランシーでシンセ渦巻くボーコミュ(Border Community)系ミニアルバム。家で聞いてもイケます。Holden、Nathan Fakeが好きな人は是非。

④Anno Stamm - To Gravit & Symmet We Rhyth [All City Ireland (IRE)]

http://www.technique.co.jp/item/140059,ACALSLPX1.html

話題性低い気がするんですが、超良作のダブステップ+テクノ=「ダブステクノ」。ブリッとしたベース、程よくパーカッシブで程よくツンのめる謎のビート、ダサいメロディと声ネタ。どんな展開でもハマる良質なDJツール。

⑤Cabanne - Discopathy [Minibar (FRA)]

http://www.technique.co.jp/item/144723,MINIBAR042.html

先日のCHAOSのプレイも凄まじかったCabanneは、アルバムも最高です。ジャジーでストイックなミニマルの最高峰。満を持して、とはこのことだ。

Fumiya Tanaka - You Find The Key [Perlon (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/137957,PERLON107LP.html

5位に続いてはこれ。音の出方が意味が分かりません。これはセンスが産んだノリなのか、緻密なプログラミングなのか。細部までじっくりと観察していると音のツブツブを楽しむミニマルの良さが分かりそうな一枚。例えるなら梱包材のプチプチをじっくり潰しているかのような。

⑦Don’t DJ ‐ Musique Acephale [Berceuse Heroique (UK)]

http://www.technique.co.jp/item/144706,BH031.html

ruralでも来日していましたが、民族調レフトフィールドダブステップの雄、Don't DJのアルバムが予想通りですが、変則すぎて面白い。Shackltonとかその辺をもっと生っぽくした感じかな?

Moodymann - DJ-Kicks - !K7 (GER)

http://www.technique.co.jp/item/136776,K7327LP.html

今年はこれもハズせませんね。自分のハウスへの理解度向上に大いに役立ってくれた一枚。色々な方からハウス談義を聞いて、その後でこれを聞くと、ハウスの面白さが垣間見えました。これがハウスか。

⑨Todd Terje & The Olsens - The Big Cover Up [Olsen (Norway)]

http://www.technique.co.jp/item/139777,OLS013.html

さすがにこれをハズすわけにはいかない。トッドテリエ・バンドによるカバーアルバム。どの曲もめっちゃ使いました。全ての曲があっという間に定番化。ダンスミュージックとしての完成度が異常に高い計算されたアンセムたち。

Paul Johnson - Second Coming [Chiwax (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/145737,CPJTX005.html

PJことPaul Johnsonのリマスター再発が今年は一挙3枚?リリース。滲み出る「バカかっこよさ」加減(どちらかというとバカ寄り)が、どんなトラックとも相性が良いような悪いような、、、 グイッと唐突にPJを混ぜるスタイルにハマってます。

 

 

エレクトロニカとかロックとか全然聴けてないのが悔やまれるなぁ。後追い大変なのに・・・今年はJANISに通いたいです。

 

(DJ FGR)