DJ FGRのオススメMinimal House(2016 Summer)

DJ FGR的には、最近のテクニーク見てると、とにかくミニマルハウスのリリースが好内容だな~と思います。4~5月はデトロイトハウスが凄かったんですが、6~7月周辺はミニマルハウスがスゴイ。というわけで、ここ最近買ったミニマルハウスを纏めてみました。

番号は振ってませんが、ざっくりと上からオススメ順になってるので聞いていただければ~!

 

Octave - Time Capsule EP [Bucharest (Romania)]

http://www.technique.co.jp/item/141612,BUCHAREST001.html

最近のリリースが総じて抜群にカッコイイ、ルーマニアOctave

目まぐるしく飛び交う様々な音が、地上から2m付近の空中を人魂になってシュッ…シュッ…そしてフワッ…そんな幻覚が見えてきそうな、体にスッと落ちてくる音の響き、音の抜き差し。それを支えるバックを蠢くベースとシンセ。全方位でグッときます。

Villalobosとはまた違った意味でガチガチにキマったトラック群。Matt EやIon Ludwigを最初に聞いた時の衝撃を彷彿とさせる、これから大注目のアーティストで、ここ最近の激オシ!

 

Wareika - Bolero EP [Visionquest (US)]

http://www.technique.co.jp/item/140860,VQ058.html

Wareikaのちょっと前にリリースされたシングルは、ある意味ダンスクラシック?バレエで御馴染みの「Bolero」を使った長尺トラック!!リリースは少し前ですが6月末に偶然発見し購入。

このメロディは余りにも有名すぎてCMとかテレビ挿入のイメージが強いのですが、オリジナルはモーリス・ラヴェルの1920~30年くらいのバレエ音楽。参考までにWikipwdiaのリンクを貼っておきます。

http://bit.ly/2aDsmuF

原曲の特徴を抜粋すると以下のようらしく、なるほど、これ実はミニマルとの親和性が非常に高いんですね。

 1. 最初から最後まで(最後の2小節を除く)同じリズムが繰り返される。
 2. 最初から最後まで1つのクレッシェンドのみ
 3. メロディもA、B、2つのパターンのみ

この単調なメロディが、次々と様々楽器により演奏され、徐々に合奏になっていくことで多彩な表情をみせる…結構前衛的なことやってるじゃん!!解説にある通り現代音楽のミニマルミュージックに通ずるんですね。

Wareikaのトラックの方は、リズム帯をほどよ~く強弱付けたり抜き差ししながら、背景にうす~くピュンピュン音を鳴らしながら、ボレロのあの有名なメロディをシンセサイザーの音色に変えつつもド直球に使ってます。ふわ~っと後半にメロディが入ってきた瞬間の高揚感はたまりません。音の抜き差しでラヴェルの原曲の多彩さを表しているのかな?とも思ってみたり。

 

Romar - Blessings EP [Bleu Ciel (Switzerland)]

http://www.technique.co.jp/item/139310,BLEUCIEL005.html

U-MOREなどもリリースするスイスのRoraや、Fasten MusiqueからもリリースするRomarのニュー。RoraのサブレーベルBleu Cielからです。

山間での朝日を浴びながら踊りたくなる爽やかでダビーなシンセが舞い踊るA面もスッゲーかっこいいんですが、でも、このシングルは、何といってもB面。意味不明な日本語が…これは仕事人間なサラリーマンは必聴!!

  まいにち まいにち おしごとしてくれて ありがとうございます
  あなたのやさしさは つたわりにくいかもしれないけど

あ~泣ける…!これかかったら泣き踊りしちゃうに違いないな~

 

Villalobos - Detroit Heroes EP [Raum...musik (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/141786,MUSIK098.html

皆さんもうチェックしましたか~??VillalobosによるNEW!

反復リズムに爽やかなギターサンプルが繰り返しなる中で何故かずーっとウニョっているノイズが非常に気持ち悪いA面。しかもこれ段々と拍が取れなくなるやつですね。で、だんだん後半になるとギターが強くなってきて…相変わらず意味不明!!この人のトラックはホント、良いシステムで聞かないと真価を発揮しないのですが、相変わらず突拍子もなく理屈では説明できないことをやってるなぁと思います。

そして、タイトルがイケてますね~デトロイトヒーローズ!という名のすっごいジワジワ、ジワジワ、ジワジワ、ジワジワとビルドアップしてくる感じが、これは鳥肌モノ!シンセの使い方には、すこ~しだけデトロイトを感じることができるかも・・・?

 

Vadim Svoboda - Tablon Ten Inches People 1 [Tablon (FRA)]

http://www.technique.co.jp/item/141253,TABLONTIP01.html

フランスのミニマルハウサ―Vadim Svobodaによる自身のニューレーベル「Tablon」の1番。10インチバイナル。最近この人がスゴい好きなんですよ。

A面は反復するリズムにウワモノを絶妙な変化で加えていくスタイルで、初期Radio Slaveを彷彿とさせるどこを切り取っても同じ音が鳴ってる感じが、忘れていたミニマリズムを想起させる、音の鳴りの良さそうな一曲。

そしてB面は少しBPM遅めの怪しげトライバルなミニマルハウス。A面もそうだけど、リズム帯に対するエフェクトのかけ方が優れているのかなと思いますが、一つ一つの音が輝いていて、延々聴いてもまったく聞き飽きない、曲というより”音”重視のヴァイナルです。

 

Seekers - Turning Night Into Day [Seekers (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/141742,SKR003.html

Seekersというアーティストですが、毎回”中の人”が違うらしいです。そんなんアリなんでしょうか?やり方がデトロイトっぽい気がしますね笑

内容はというと、多彩な音色とつんのめり気味なリズムが楽しい、おっさん感覚だと2000年以降のforce incあたりからリリースされていたようなクリックハウスを思い出すアルバムです。全体的にBPM早めで、ガシガシ行きたい朝方に投入する感じ。

Leif、Tom Ellis、John Tejadaあたりが好きな人にはピッタリハマるんじゃないかな~

 

The Cabin - Breakfast EP [Pfand (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/140031,PFAND02.html

※動画/サンクラ見つかりませんでした...

Yapaccによるニューレーベル「Pfand」の2番は、Yapaccの別名義「The Cabin」によるシングル。

どの曲も素晴らしいんですが、特にA2が良い感じ。超アゲめのRadio Slave感あるテクノ。ベルが鳴り始めてからのリズム帯、ベースラインの重ね方がとにかくアゲに来てます!

あとB2のシンセの効いた突っ走ったテクノも良い音出してますね、デトロイトテクノにも引けを取らないエモさにヤラれる!

 

Unknown Artist - Utique 003 (Vinyl Only) [Utique (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/141057,UTIQUE003.html

UtiqueというFrankfurtのレーベルの3番。ヴァイナルオンリー。

爽やかなミニマルハウスの中、徐々に音数が減り、タンテの電源を切って、頭出しをしてから再スタートするブレイクがカッコイイ、A1面の圧倒的カッコよさったら、もう!!(が、A面の動画が見つからないので、B2面貼ってます)

 

Unknown Artist - Odeorange [Ode]

http://www.technique.co.jp/item/140982,ODEORANGE.html

上で紹介しているRomar(のレーベルBleu Ciel)と同様、Roraのサブレーベルらしい「Ode」より謎のアーティスト。Ode7枚目のリリースです。

ディスコハウスなサンプルを薄く、ただし延々とループして乗せたB面が良い。ディスコサンプルを載せたミニマルハウスといえば、Robert Hoodが好きなんですが、このトラックはリズムの取り方がルーマニアンぽくて珍しい作りだな~と思います。一風変わった地味なディスコハウスとも取れるし、アッパーなルーマニアンハウスとも取れるし、どの角度から見ても一風変わった好トラックです。(が、これも試聴はA面)

 

Sublee / Rojid - That Same Feeling / Saiyan [Why So Series (Romania)]

http://www.technique.co.jp/item/141694,WSS002-2.html

ルーマニアNu Zau主催のレーベルより、Nil等からリリースするSubleeとニューカマーRojidのスプリットシングル。

A面Subleeのトラック「That Same Feeling」は浮遊感漂うシンセを基調に、抉るようなベースラインとハイハットの刻みで突っ走る、これぞ今のミニマルハウスの王道。少しピッチ上げ目でかけると良い感じかも。

そしてB面Rojidの「Saiyan」これが素晴らしい!エレクトロビートに気持ち悪いメロディ、うす~いアシッドベースがこれでもかっ!という具合でウネウネ。ウネウネ。ウネウネ。。。フロアの空気を一瞬にして変える名曲。

 

Eticone - Random Afternoon EP [Eticone (GER)]

http://www.technique.co.jp/item/141745,ETCN002.html

ドスッとしたキックに、ピョーンというブリーピーな音が鳴ってるミニマルハウス。シンプル・イズ・ベストのA面が素晴らしい。Wolfgang Voigtぽいです。

Eticoneというアーティストの、Eticoneという自主レーベルからの2枚目。Alessandro PiconeとEtienneの2人組だそうで…Etienneはリリースも少なく知名度は低そうですが、Alessandro Piconeの方はCadenza、Memento、Be As One Imprint、Bosconi、Bass Cultureなど、著名なレーベルからもリリースしている中堅アーティストです。

 

Verrina & Ventura - La Terra Trema Remixes Part 2 [All Inn Black (Romania)]

http://www.technique.co.jp/item/141252,AIBLACK017B.html

ルーマニアンハウスの、もはや老舗、All Innのサブ、All Inn Blackより、Verrina & VenturaのファーストアルバムのRemix盤の2枚目。PlayhouseのLo Soul、NillaからリリースのあるAfriqua、そしてUnderground QualityよりアルバムをリリースしているDana Ruhの3人がリリース。

Lo Soul(A1)は相変わらずカッコイイキックが鳴ってるし、Dana Ruh(B2)も浮遊感あるシンセにパキッとしたパーカッションが爽やかで良い感じだけど、今回は謎の原曲だったLa Terra Tremaを良い感じのアラビアンなブレイクがカッコイイミニマルハウスに落とし込んだAfriqua(B1)に軍配かな。

 

Point G - Classics & Unreleased Jams, Cabanne Edit [Minibar (FRA)]

http://www.technique.co.jp/item/139477,MINIBAR040.html

フランスのミニマルハウスといえばCabanneのMinibarですが、そこからPoint Gのリリースとあっちゃあ間違いないヤツですね。

Point Gの初期作品をコンパイルした…ということもあり、今に比べるとハウシーで、デトロイト・シカゴのディープハウスとも相性良くDJツールとして活躍しそうなトラック群。そこにCabanneのエディットを1曲加えた7曲入り。

ホントこの人は、いつもどおりで、いつも素晴らしいです。

 

Eddie Fowlkes - Detroit Sounds Double Pack 1 [Detroit Wax (US)]

http://www.technique.co.jp/item/140798,DW0011.html

デトロイト重鎮Eddie 'Flashin' Fowlkesによるニューシングル。

音数少なめ、ミニマリスティックなハウスながらも、ベースの効き方がグッと腰に来る、さすがデトロイト!と言うべき、入魂の2枚組4曲シングル。どの曲もクオリティ高っ!

 

DJ FGR